文部科学省は12日、学習指導要領の範囲にない「発展的な学習」の教科書への記載について、「小、中学校で全体の1割程度、高校では2割程度」としている現行の上限基準を廃止することも盛り込んだ制度改定原案を、教科用図書検定調査審議会に示した。
教科用図書検定調査審議会は、学ぶ内容が増える新学習指導要領が11年度以降に全面実施されることに合わせ、復習しやすい内容にするなど、教科書の改善方法を検討してきた。
文部科学省原案は「補充的な学習」として、例えば小学校算数の学習内容を中学校数学の教科書で取り上げることを認めるよう検定基準を見直すことを提案。生徒が学習済みの内容を復習したり、家庭で自習しやすいように練習問題を充実させることも示した。イラストや写真の多用は子供たちの想像力を阻害するとして、避けることを求める記述も盛り込んだ。
また現在、当該学年より上の学年で習う漢字は教科書で使えず、平仮名などと交ぜ書きしているが、漢字学習を充実させるため、振り仮名を付けて使えるように改める。
教科用図書検定調査審議会の作業部会も12日に承認。来年度の検定から適用されるという。