点取り競争からの卒業 大学入試改革が始動


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教育問題 点取り競争からの卒業 大学入試改革が始動

配信元:私塾界 10月30日08時21分

10月21日の日本経済新聞に掲載された、シリーズ「大学開国 第5部」で、大学入試が変革を迫られている様子が克明にレポートされていた。多様な学生を集め、グローバル社会を生き抜ける人材を生み出すために必要な入試とは。

同記事によると、現在の東京大学の入試では、センター試験の成績はその点数を圧縮して二次試験と合算している。そのため、特典は小数点刻みとなり、合格ラインには100人以上がひしめき、小数点第4位まで出して判定しているという。また、論述式が中心の二次試験の採点も細かく、細かい表現の違いなどが合否を分けているのが現状だ。

東大に限らず、多くの難関大で共通している小数点単位での選抜方法。こういった試験制度に対して、公平性を問う疑問の声も後を絶たないという。
一方で大学関係者の多くも、優れた能力の発掘よりもふるい落とすための入試に限界を感じているようだ。

今年9月には、中央教育審議会が学力以外に意欲や能力も総合判断する方式への転換を掲げ、議論を開始した。東大も秋入学への移行に伴い入試改革の検討を始めている。どうやら、これまでのやり方では「グローバル人材」の育成が思うように進まないことが危機感としてあるという。

国内ではグローバル化が声高に叫ばれるものの、大学は割り振られた定員の維持を優先し学部ごとに入試を行う風潮がいまだに強い。本来であれば広い教養が求められるはずのグローバル社会においても、私立大を中心に入試科目は少ないままだ。

地理については、大学によっては問題を作れる教員がいないために、入試科目として選択できない学部があり、結果的に選抜に手間をかけず学部の縦割り構造も温存し、大学側の都合を優先させる結果となっている。ところが京都大学では、学力検査に加え、高校での活動を含めた総合判定入試を4年後にも導入すると表明している。同大学の松本学長によれば、「大学入試が変われば高校以前の教育も変わる。入試制度は大学の社に対する責務だ」と記事はまとめている。

私塾界

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