大阪大学（大阪府吹田市）の大学院理学研究科の寺田健太郎教授が率いる共同研究チームは３１日、太陽活動によって地球の重力圏から流出した酸素が月に到達していることの直接観測に成功したと発表した。
発表によるとこの観測では、月周回衛星「かぐや」搭載のプラズマ観測装置を用いて月面上空１００ｋｍのプラズマデータを解析し特定条件時に高エネルギーの酸素イオンが現れることを発見したという。
発見された高エネルギーの酸素イオンは、金属粒子の深さ数１０ナノメートルまで貫入することが可能で、長年謎だった月表土の複雑な酸素同位体組成を理解するのに非常に重要な知見だという。
また、この研究成果は日本時間の２０１７年１月３１日午前１ 時に英国科学誌「Ｎａｔｕｒｅ Ａｓｔｒｏｎｏｍｙ」にオンライン公開されたという。
■「満月」に吹く「地球からの風」
http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2017/20170131_1
