来年度から始まる教員免許更新制で今年度、全国の大学・法人が試験的に実施する講習の内容が9日、文部科学省から一斉に発表された。
制度の最初の更新対象となるのは、11年3月末に35、45、55歳となる教員。大学などが実施する講習(30時間以上)の修了認定を受ける必要がある。国立大50校、公私立大41校と10の教員養成機関・法人で先行実施する。
試行講習は5月以降に始まるが、大半は夏休み期間の7、8月に実施。へき地や島しょ部の教員向けに出張講習をしたり、インターネットを使ったりする講習も実施する。講習には必修領域の「教育の最新事情」を扱うものが多いが、「博物館の活用力を高める」(国立科学博物館)、「学校などに理不尽な要求をするモンスターペアレント対策」(相模女子大)などといった特色を打ち出した内容もある。
ユニークな講習を開設する背景の一つに、少子化に伴う学生数減少もある。関東地方の中堅私立大は、「多くの先生に参加してもらえれば、大学のPRになる」と語る。
本番では受講料が必要だが、今年度は試行のため原則無料。ほとんどの講習は、土日や夏休みなどの長期休暇中に行われる。