小学生、中学生の8割以上がいじめを経験 国立教育研究所調査


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不登校・いじめ・事件 小学生、中学生の8割以上がいじめを経験 国立教育研究所調査

06月29日13時59分

 小学校、中学校のいじめについて国立教育政策研究所が2004年からの3年間追跡調査したところ、いじめを経験した児童の比率(経験率)は同じ学校でも時期によって大きく変わり、学校間で比較した順位も頻繁に入れ替わっていることがわかった。国立教育政策研究所は「いじめはどの学校でも、どのクラスでも、どの子供でも起こりうるという見方がデータで裏付けられた」としている。

 国立教育政策研究所は3年間、首都圏の特定の1市の小学校13校と中学校6校の約4800人に対し調査を実施した。半年ごとに小学4年生~中学3年生の全児童生徒に調査票を配り、仲間はずれ、陰口等の経験をしたことがないと答えた子どもの比率と、学校別順位の変化を分析した。

 2004年6月時点で、687人の中学1年生うち、「仲間外れ、無視、陰口」という被害が「ぜんぜんなかった」と答えた児童は401人(58・4%)だったが、中学3年生の11月には135人(19・7%)と減り、80・3%の生徒が被害を受けていた。
 同様に中学生の加害経験をしたかどうかでは、経験していない児童は中学3年生の11月時点で18・7%、加害経験のある児童は81・3%がいじめをしていた。
 小学4~6年の調査でも、6年の11月時点で被害を受けたことのない児童は、738人のうち97人(13・1%)で、86・9%が被害を受けていた。加害経験のある児童も84・0%に上った。

 この調査結果から国立教育政策研究所は「被害者は常に入れ替わっている。いじめっ子、いじめられっ子は特定の子という考え方を改めてほしい」と分析した。また、「特定の子がずっといじめられたり、いじめ続けるケースはむしろ少なく、被害者も加害者も時期により大きく入れ替わっている」と指摘した。
 調査結果を基に作成した教員用研修資料はすべての小学校や中学校、高校に配布する予定。

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