いじめを訴えていた群馬県桐生市立新里東小学校6年の上村明子さん(当時12)が、2010年10月に自宅で自殺した問題で、桐生市は29日、第三者調査委員会(委員長・新井博弁護士)がまとめた調査報告書の概要を発表した。
桐生市が公開した調査報告書の概要によると、いじめを自殺の「大きな要因の一つ」と位置づける一方で、「唯一の原因とは判断できない。家庭環境などの他の要因も加わり、自殺を決意した」としている。「プライバシーの問題がある」として、調査報告書の全文は遺族にも公開していない。
上村さんの自殺をめぐっては、通学していた小学校がいじめを認める一方、直接的な原因は特定できないとする報告書をまとめていた。両親は、いじめや学校側の不適切な対応が原因で自殺したとして、桐生市と群馬県に3200万円の損害賠償を求め、前橋地方裁判所(群馬県前橋市)に提訴。桐生市側はいじめによる自殺と即断できないと主張していた。