８日で、大阪府の大阪教育大学付属池田小学校で児童が殺傷された事件から１０年を迎えた。同小学校では７日から、学校安全の取り組みなどを伝えるパネル「１０年の歩み」が展示されている。８日朝には、遺族や在校児童、教職員らによる犠牲者の追悼会「祈りと誓いの集い」が開かれた。
１０年前の６月８日、池田小学校校内に、刃物を持った不審な男が侵入し児童や教師を襲った。児童８人が死亡し、教師を含む１５人が重軽傷を負った。
事件後１０年経過した今では、事件後に生まれた児童が在校生の半数以上となった。体育館に展示されたパネル「１０年の歩み」は、事件とその教訓を風化させない、学校の歴史をきちんと伝えるなどの目的で、同小学校全教員の手によって製作された。
パネルでは、池田小学校の校舎や学校行事、この１０年間の安全に関する取り組みを写真と文章で紹介している。事件が起こってから初めての登校日を迎えた教員らの不安な思いや、児童が折り鶴を組み合わせて作った作品に込めた願いなどが記されている。
パネルは、８日に開かれた「祈りと誓いの集い」終了後、追悼会に集まった保護者らに披露された。安全に関する取り組みを、遺族や教員だけでなく、現在の在校生の保護者らにも伝えていこうという考えだ。
