英字新聞多読で備える大学入試


  1. 教育情報サイトeduon!ホーム
  2. 教育ニュース
  3. 受験・入試
  4. 英字新聞多読で備える大学入試

受験・入試 英字新聞多読で備える大学入試

配信元:私塾界 11月04日08時14分

読売新聞(10月20日付)では高校の英語に関する授業の話題を掲載している。

「第一パラグラフを話の流れで分けると、どこで区切ることができますか」「キーワードを二つ挙げてください」。

9月中旬、静岡雙葉高校・中学校(静岡市葵区)の高校3年のリーディングの授業。開始早々、志賀保美講師(56)が質問を投げかけた。

生徒たちが手にしているのは、バイオマスをテーマにした7月24日の英字紙ジャパンタイムズのコピー。前回の授業で配布され、予習が前提だ。どの生徒も、重要な単語にマーカーで印を付けたり、文のつながりを矢印で示したりするなど、長文読解の努力の跡がうかがえる。

「授業で配布する記事は、自習学習用も含め、年間100本に上るんです」と、志賀講師が解説してくれた。
私立中高一貫の同校では、国際感覚豊かな人材を育てるという目標のもと、特色ある英語教育を展開してきた。英字新聞の活用は、小説や雑誌も含めて様々な英文を多量に読むことで読解力を養う教育実践の一環で、20年近く前から続けている。

中学では、第一段落だけなど短い英文を読み、高校で段階的に記事全文の読解へと発展させていく。高校では、英作文などのライティングや会話中心のオーラル・コミュニケーションの授業にも、英字新聞を使っている。
大学入試対策が中心となる高校3年では、リーディングで毎回、主教材として使う。担当3年目の志賀講師は、大学入試センター試験などの過去の出題テーマと類似した英文記事を選び、設問形式で授業をするなど工夫を凝らす。

「様々な問題に対応できるよう、カギとなる言葉や文を見つけながら、各段落の要点やつながりを把握する指導をしている。英語で論理的に書いたり話したりする力も養われる」と、志賀講師。

高3の松永倫子さん(18)は、「英字新聞を読むようになってから、知らない単語があっても読み進めてポイントをつかめるようになった」。佐野友紀
ゆうきさん(18)も、「論理的に考える力がついて、入試対策の自分の意見を書く英作文が、得意になった」と話す。

同校英語科主任の岡田寿子教諭(62)は、「英字新聞は、日本や世界の動きを英語で理解するために重要であるばかりか、近年、出題が増えている大学入試対策として欠かせない教材です」と説明する。

[メモ] 学習参考書などを出版する学研教育出版によると、大学入試で英字新聞記事から出題されるケースが特にこの5、6年増えている。比較的多かった国公立に加え、私立難関校などでも目立ち、出題形式も適語補充や正誤選択、段落分け、長文を読んで自身の考えを述べる英作文など、多様化の傾向にある。多読など、優秀な教師に囲まれた環境だからこその実践例であろう。

私塾界

掲示板 このニュースについて掲示板のトピックを立てる