光学活性化合物の新しい合成法を開発 高知高専5年生の論文が『Chemistry – A European Journal』誌のHot Paper及び表紙に選出


  1. 教育情報サイトeduon!ホーム
  2. 教育ニュース
  3. 高校
  4. 光学活性化合物の新しい合成法を開発 高知高専5年生の論文が『Chemistry – A European Journal』誌のHot Paper及び表紙に選出

高校 光学活性化合物の新しい合成法を開発 高知高専5年生の論文が『Chemistry – A European Journal』誌のHot Paper及び表紙に選出

配信元:私塾界 03月07日07時53分

高知工業高等専門学校(以下「高知高専」)ソーシャルデザイン工学科新素材・生命コース5年の野並玲奈(のなみ れいな)さんと白井智彦講師らの研究グループは、イリジウム触媒を用いて医・農薬の開発に有用な光学活性キラル分子の新しい合成方法を確立した。同研究成果は、2022年1月28日(金)公開のChemistry – A European Journal誌(欧州化学会誌)に掲載され、同誌のHot Paper(同誌の編集者が特にその重要性を認めた論文)及びFront Cover(表紙)に選出された。

同研究により、アルデヒドと呼ばれる一般的な分子を新しい手法で医・農薬開発に役立つ分子へと変えることに成功。独自に設計・合成した触媒を使う事で、分子の構造を精密に制御することにも成功した。これにより、廃棄物が少ない新しい合成プロセスとして期待される。

 化合物の適用範囲が限定されるなどの課題はあるが、技術を発展させることで、医・農薬候補化合物の自在合成に繋がることが期待される。

 本研究は、高知工業高等専門学校 ソーシャルデザイン工学科 新素材・生命コース5年の野並玲奈(のなみ れいな)さんを中心として実施されたもの。野並さんは、低学年時から英語プレゼンコンテストへの参加やTGK(Techno Girls of Kochi Kosen;女子学生支援の基盤となる組織)の代表学生として様々なイベントを企画するなど学内外を問わず精力的に活動してきた。4年時に配属された研究室でも積極性と粘り強さを発揮して研究に取り組み、本科生で欧州の学術誌に筆頭著者として論文を発表し、注目すべき論文・表紙に採択される快挙を成し遂げた。卒業後は専攻科への進学が決定しており、更なる研究の発展が期待される。

【発表論文の情報】
論文名:Cationic Iridium-Catalyzed Asymmetric Decarbonylative Aryl Addition of Aromatic Aldehydes to Bicyclic Alkenes (カチオン性イリジウム触媒を用いるビシクロアルケンへの芳香族アルデヒドの脱カルボニル型不斉アリール付加反応)
著者名:Reina Nonami1, Yusei Morimoto1, Kazuya Kanemoto2, Yasunori Yamamoto3, Tomohiko Shirai1 (1高知工業高等専門学校ソーシャルデザイン工学科(新素材・生命コース)、2中央大学理工学部、3北海道大学大学院工学研究院)
雑誌名:Chemistry – A European Journal
公表日(オンライン公開日):2022年1月28日【論文】、2022年2月9日【表紙】、2022年2月10日【Cover Profile】
論文URL: https://doi.org/10.1002/chem.202104347
表紙URL: https://doi.org/10.1002/chem.202200316
Cover Profile URL:https://doi.org/10.1002/chem.202200317

白井研究室ホームページ URL: https://shirai-t.wixsite.com/website

■高知工業高等専門学校について
 高知高専はこれからの社会の変化と時代のニーズに対応できる人材を育成する1学科制の高等専門学校。1・2年次では、教養科目・専門基礎科目・実験実習で基本力を身につけ、3年次からは専門分野5コースのいずれかに進み、コアな専門分野と多面的な知識を融合、幅広い学識・技術が活かせるハイブリッド型の人材を育成している。

【学校概要】
会社名:独立行政法人国立高等専門学校機構 高知工業高等専門学校
所在地:高知県南国市物部乙200-1
代表者:井瀬 潔
設立:1963年
URL:https://www.kochi-ct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関

私塾界

掲示板 このニュースについて掲示板のトピックを立てる