大阪市立桜宮高校の男子生徒が体罰を受けた翌日に自殺した問題で、橋下徹市長と松井一郎大阪府知事、府市の教育委員会幹部が1月24日、会談した。同校体育系2科の募集を中止して普通科に振り替えたことを受け、2校ある府立高体育科の定員増を求めた。陰山英男府教委委員長は「増やす方向で協議する」と述べ、体育科がある府立高2校のうち府立大塚高（同府松原市）の定員増を検討するとした。
大阪府内で体育科がある公立高は、大阪市立2校（桜宮、汎愛〈はんあい〉）と府立2校（大塚、摂津）で、府立両校の体育科の定員は各80人。24日午後の府教育委員会議で定員増について協議するという。
橋下氏は会談で、「体育科にどうしても行きたい生徒もいると思う。受験生の希望に配慮いただけないか」と述べ、府立高の定員増を要望。これに対し、松井氏は「受験生の負担にならない仕組みをオール大阪でつくりたい。私学にも要請をしたい」と前向きな姿勢を見せた。
市教委は今春の入試で、桜宮高の体育科（80人）とスポーツ健康科学科（40人）の募集を中止し、同じ定員を普通科に振り替えると決めた。入試科目や選抜方法は従来の体育系2科と同じとし、振替枠はスポーツに特色あるカリキュラムとする方針。
