株式会社朝日学生新聞社 2019年度 中学入試の時事問題を分析


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その他 株式会社朝日学生新聞社 2019年度 中学入試の時事問題を分析

配信元:私塾界 06月05日08時06分

「朝日小学生新聞」を発行する朝日学生新聞社(東京・中央区、脇阪 嘉明 代表取締役社長)は、2019年度の国立・私立中学校70校あまりの入試問題を分析し、時事問題の出題内容を調べた。

よく取り上げられたテーマは「世界遺産」や「首脳会談」。サッカーのワールドカップや領土問題に関する出題もめだった。理科の時事問題では、台風のしくみに関するものや、探査機「はやぶさ2」がめだった。
1 世界遺産
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県)がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されることが決まったというニュースを入り口にした出題がめだちました。それ以外にも、日本の世界遺産について問うケースが多くみられました。今年も「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」(大阪府)が登録される見通しで、来春の入試で関連事項が問われるかもしれません。
・長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の説明について、「江戸時代以降におけるキリスト教との独特なかかわり方が評価され、教会などが世界遺産に登録された」を選択させる。(神奈川・慶応湘南藤沢中等部)
・遺産の名称などをふせたうえで、構成資産がある都道府県の組み合わせとして「長崎県・熊本県」を選ばせ、構成資産の一つで現存する国内最古の教会として「大浦天主堂」も記述させる。(東京・青山学院中等部)
・九州・沖縄地方にある世界遺産の登録件数。(奈良・西大和学園中)
・東京都に属する自然遺産を答えさせる。(埼玉・大宮開成中)

2 首脳会談
アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による初の米朝首脳会談などを受けて、関連する問題が頻出しました。今年も、朝鮮半島をめぐる動きや、大阪市で6月28、29日に開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)はおさえておきましょう。
・初めて米朝首脳会談が開催された国(シンガポール)を答えさせる。(東京・学習院中等科)
・金委員長と韓国の文在寅大統領による南北首脳会談がおこなわれた場所として「板門店」を答えさせる。(東京・鷗友学園女子中)
・北朝鮮の金委員長と韓国の文在寅大統領による南北首脳会談を出題。各国の首脳の写真から金委員長と文大統領が並ぶものを選ばせ、非核化の説明で適当なものとして「核兵器廃絶(禁止)条約の国連採択に力を発揮したNGO団体の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)はノーベル平和賞を受賞した」も答えさせる。(埼玉・淑徳与野中)

3 スポーツ
ロシアで開催されたサッカーのワールドカップ(W杯)に関連した問題がよく出ました。五輪をテーマにした問題もありました。今年は、2020年にせまった東京オリンピック・パラリンピックの話題に関心を持つとよさそうです。
・ロシアや、日本代表が対戦したコロンビア、セネガル、ポーランド、ベルギーと日本とのかかわりなどを出題。(東京・城北中)
・2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたプロジェクトとして、メダルをつくるために使わなくなった携帯電話やパソコンなどを回収する取り組みを出題。(埼玉・開智中)
・近代オリンピックについての説明で正しいものとして「1940年のオリンピックは東京で開催される予定だったが、第2次世界大戦のため、実現しなかった」を選択させる。(千葉・昭和学院秀英中)

4 台風、はやぶさ2
理科の時事問題でよく出たテーマの一つが台風でした。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」や火山について取り上げる出題もめだちました。今年も、「はやぶさ2」が小惑星に到着してどのような観測をしているのか、注目しておきましょう。
・台風の特徴や、台風がもたらす風や雨の特性などを説明したうえで、台風のもととなる雲として「積乱(雲)」を記述させたり、上陸した台風が急速におとろえる理由として「水蒸気の供給が絶たれ、地上との摩さつによりエネルギーが失われる」を選択させたりする。(東京・駒場東邦中)
・はやぶさ2が探査する小惑星の名称として「リュウグウ」を記述させる。(神奈川・浅野中)
・日本の火山とくらべた場合のキラウエア火山のねばりけの大きさ(大きい・小さい)や噴火のようす(激しい・おだやか)、火山の傾斜(ゆるやかな・急な)などを選択式で解答。過去の自然災害の記録などから、その地域で災害が発生したときの被害を予想してあらわした地図として「ハザードマップ」も記述させる。(奈良・西大和学園中)
・台風が最も多く発生する場所(日本のはるか南の海上)や発生しやすい理由(海水の温度が高く、海水が蒸発しやすいから)などを問い、台風を上空からみたときの地上付近での風の吹き方(反時計回りに吹きこむ)や、進行方向に向かって特に風が強くなるところ(右側)なども答えさせる。(大阪・大阪星光学院中)

2019年は「令和」への改元がありました。令和の出典となった「万葉集」、名称に元号がもちいられている歴史上のできごと(大化の改新、承久の乱など)のほか、日本国憲法における天皇の規定(象徴天皇であること、天皇の国事行為は何か)などもおさえておく必要がありそうだ。

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