51の高専、横断的な連携効果、成果に期待


  1. 教育情報サイトeduon!ホーム
  2. 教育ニュース
  3. 教育問題
  4. 51の高専、横断的な連携効果、成果に期待

教育問題 51の高専、横断的な連携効果、成果に期待

配信元:私塾界 10月25日08時33分

国立高等専門学校機構(高専機構)が2004年度から全国51の国立高専を統括するようになったことが影響し、地域密着の色が強い高等専門学校で、高専同士の横断的な連携効果が出てきている。高専機構が結んだ協定に基づく教育などがその1つである。

一方では教員による自主的な研究プロジェクトも動くなど、柔軟性の高い連携活動が高専の新しい魅力となってくるだろう。

高専は学生数が1校で1000人程度。しかし、高専機構でまとまると5万人とケタ違いの人数になる。
大規模組織との協定は機構が結び、各高専から参加者を募り、日本マイクロソフトとの高度IT人材育成や、地方大学・信用金庫が集まるコラボ産学官との産学官連携の取り組むことが定番とされる。

現在全体で2割弱程度の女子学生比率を高める活動も行なっている。各学校から女子学生が参加し高専志願者となる中学生や就職先企業へのPR冊子「高専女子百科」を作成している。こういった活動を通し、“仲間が全国にいる心強さ”を感じつつ、コミュニケーション力やリーダーシップを身につけていくという。

これに対し現場の教員は、「全国KOSEN研究ネットワーク」を用い自主活動で発展を目指している。例えば「機能性食品研究ネットワーク」は食品の分析・評価や生産など共通の技術・設備の相互活用で、教員ら30人近くが全国高専から参加する。研究対象は地域産業とも関係の深い各地区の伝統食品であっても、共通する研究手法で相乗効果を出すのが狙いだ。強制的な教員参加はおこなわず、各自の関心に呼びかける形を重視している。

高専は、教育の規模や仕組みが高等学校とも似ているため、教員の縦割り意識が強い大学とは違い、教員間でも高専間でも垣根が低い。多方向からの切り口の連携で、今後の成果が期待される。

私塾界

掲示板 このニュースについて掲示板のトピックを立てる