理数の学力上昇に伴う今後の課題 TIMSS調査で


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教育問題 理数の学力上昇に伴う今後の課題 TIMSS調査で

配信元:私塾界 12月18日08時30分

日本の子供の理数科目の学力が、上昇傾向であることがわかった。今回、調査基準となったのが、「TIMSS」と呼ばれる国際的な学力調査。これはオランダが本部にある国際学会が4年に一度行っているもの。

昨年は世界60カ国・地域の約50万人が対象となり、日本からは小学4年生と中学2年生の合計8,800人が参加した。その結果、日本の平均得点は、小学校では、算数が前回の平成19年より17点上がって585点で50か国中5位。理科が11点上がって559点で50か国中4位となった。また中学校では、数学が前回と同じ570点で42か国中5位。理科が4点上がって558点で42か国中4位。小中学校ともに平均の得点が上昇傾向にあることが伺える。

小学校、中学校とも、シンガポール、韓国、香港や台湾が上位を占め、日本はそれに次ぐ結果となった。一方、算数・数学や理科に対する意識を尋ねると、「勉強は楽しい」と答えた小中学生は、ともに前回を上回ったが、「数学や理科の知識を使うことができる職業につきたい」と答えた中学生は2割ほどにとどまり、国際平均より30ポイント程度低くなっている。子どもたちの理数の学力は、8年前のこの調査で低下傾向が明らかになり、文部科学省が「ゆとり教育」を転換して授業時間や学習内容を増やすきっかけとなっていた。

各学校は、授業に実験や観察を多く取り入れ、子どもたちが算数・数学や理科を日常生活と結び付けて考えるよう改善している。
文部科学省はこうした取り組みの成果が出てきているとして、さらに指導の充実を図ることにしている。全体として学力の低い層の子供の得点が上昇しており、さらに理数教育の先にある、例えば就職などについても授業に取り入れながら、学校だけではなく社会全体で理数教育の重要性を共有し、子供に伝えることが必要である。

私塾界

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