いつでも どこでも イメージトレーニングで実力発揮!


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情操教育 いつでも どこでも イメージトレーニングで実力発揮!

配信元:サカイク 12月09日08時56分

サッカーのレベルアップを目指す上で、欠かすことのできないのがイメージトレーニングです。今回は「子のメンタル、親のメンタル」が好評連載中のメンタルトレーニング・コンサルタント大儀見浩介さんに、イメージトレーニングの方法を教えてもらいました。

■チャレンジ01 目をつぶってサッカーの試合をイメージ!

試合で実力を発揮するために大切なのが『心の準備』(心理的準備)です。一流選手は体だけでなく、心の準備をして本番に備えます。心理的準備の代表的なものに、イメージトレーニングがあります。日本代表の本田圭佑選手は、試合の前に試合での動き方やプレーのイメージトレーニングをしているそうです。

イメージトレーニングには2つの代表的な効果があります。

・新たな技術の習得に役立つ
・事前にイメージすることで予行演習になる

技術の習得に、イメージトレーニングは役立ちます。イメージがなければ、人間の体は動きません。ドリブル、パス、シュート、シザーズ、オーバーヘッドキック......実はこれ、頭の中でイメージができているから、体がその通りに動くのです。

「スリランカの民族ダンスをしてください」。こう言われて、できる人はほとんどいないはず。それは、スリランカの民族ダンスがどういうものかを知らないからです。つまり、イメージができないから、体が動かないんですね。

イメージトレーニングは、スポーツの技(スキル)を習得し、上達するために欠かすことのできないトレーニング法です。

それでは、子どもと一緒に実際にイメージトレーニングをしてみましょう。最初のお題は「サッカーの試合」です。自分がサッカーの試合に出場している姿をイメージしてください。

はい、目をつぶって――ヨーイ、スタート。

それでは、目を開けてください。親子でそれぞれどんな場面をイメージしましたか?

自分目線で相手をドリブルでかわしているところですか?
それとも、自分がドリブルしているところを頭上や横から、客観的に見ているところですか?
ドリブルをしているときに、ボールを奪いに来る相手の存在はイメージできましたか?
観客の声援は聞こえましたか? ピッチの匂いはしましたか?


まず思い浮かべるのはサッカーをしている自分。でも実際には、敵や味方がたくさんいて、チャンスなのかピンチなのか、観客はどう反応しているかなど、多くの要素が存在しているはず。これら全てをできるだけ正確にイメージしていく練習をしましょう

Point!イメージトレーニングは五感をフル活用しておこなう

五感とは視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚のことを言います。さらには筋肉の感覚までイメージできると、良いでしょう。こうしたことを優しく楽しくお子さんと実践してみてください。
イメージトレーニングのポイントは五感をフル活用しておこなうことです。五感とは視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚のことを言います。さらには筋肉の感覚までイメージできると、良いでしょう。こうしたことを優しく楽しくお子さんと実践してみてください。

・視覚=相手の着ているユニフォームの色
・聴覚=聞こえてくる客席の声援
・嗅覚=ピッチの匂い
・触覚=ボールタッチの感覚
・味覚=試合の合間に飲むドリンクの味
・筋感覚=重心移動や、フェイントのモーションなど


上記のように、細かいところまでイメージをすることができたら、イメトレの上級者です。

人間の脳は実際に目で見たものと、頭の中でイメージしたものとを区別することが上手ではありません。ですから、イメトレで本番と同じ状況をイメージし、何度も繰り返すことで、スムーズに体が動くようになります。つまり、イメトレとは「予行演習」なのです。


■チャレンジ02 ベストプレーをイメージしてみよう

では、次のイメージトレーニングは「あなたが考えるベストのプレー」です。親子でそれぞれ自分が考えうる、最高のプレーをイメージしてみてください。親は自分がプレーをしている想定、子どもも同様です。時間は20秒です。準備はいいですか? それでは、ヨーイ、スタート。 はい、目を開けてください。ここで質問です。あなたのイメージした映像には、あなた以外の人が登場しましたか? 子どもがイメージした映像には子ども自身以外の人が登場していたでしょうか?

イメージすることは頭のなかで順序だてて、整理して、考えるということになります。このような準備をしておくことは、実際のプレー前に非常に有効です。

効果があるイメージトレーニングとは、限りなく現実に近いものです。試合中、選手の周りには相手や味方、レフェリー、サポーターなど、たくさんの人がいます。自分以外のものまで細かく、より現実に近いイメージを描くことが、効果的なイメージトレーニング法です。もし子どもが自分以外の要素をあまりうまくイメージできていないようであれば、段々と細かくイメージできるよう楽しくイメトレを続けてみてください。

この写真にはどれだけの情報が詰まっているでしょう。手前の白いユニフォームの選手を自分だと考えてください。敵の目線や表情。さらには、敵の重心がどちらにかたむいているか、ボールの位置はどうかなど。白いラインとの位置関係や、天候、ピッチの状態も重要な情報です。できるだけ細かい状況を事前にイメージしておくことで、本番でも冷静な対応が可能となるのです。
Good! 一流選手のイメージトレーニング

相手選手やGKなど、自分以外の選手もイメージする
パス、ドリブル、シュート、どんなプレーでも選択できるような場面をイメージしている
実際のチームメイトが登場するなど、実戦に限りなく近い場面をイメージしている


Bad! 二流選手のイメージトレーニング

登場するのが自分だけ
プレーの選択肢が限定された場面をイメージしている
実際にはありえない場面やプレーをイメージしている


イメージのケーススタディをすることで、プレーの引き出しは増えていきます。また、イメージトレーニングは本番に向けての予行演習、心の準備でもあるので、「このときはこうしよう」と対応策を立てておけば、実際にそのような状況に陥っても、あわてずに落ち着いて対処することができます。それこそが、心理的準備なのです。
試合の前日に
成功のイメージを作っておこう!


試合の前日、夜寝る前など、布団の中で明日の試合のイメージをするのもグッドです。どんな形でシュートを打つのか、だれのパスを受けるのか。味方はどこにいて、相手のGKはどこにいるのか。それらを細かく想像して、成功イメージを作ることが大切です。ゴールを決めた後、どんなガッツポーズをするのかまでイメージするのも良いですね。ポジティブなイメージで頭の中を埋め尽くし、試合で最高のプレーを発揮しましょう!


大儀見浩介//
メンタルトレーニング・コンサルタント。東海大学体育学部にて応用スポーツ心理学を学び、サッカーだけでなく、新体操女子U18日本代表や教育、受験対策など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。著書に「クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー 世界一わかりやすいメンタルトレーニング」(朝日新聞出版)、「心理戦術が日本サッカーを進化させる」(白夜書房)がある。
公式HP『Mentalista』(PC版)
http://www.mentalista.jp

記事提供:少年サッカーの保護者向け情報サイト[サカイク]

サカイク

日本初のサッカーを通した教育がテーマの少年サッカー(ジュニアサッカー)保護者向け情報サイト。最新少年サッカー情報からオリジナルコラムやインタビューなどの読み物コンテンツや練習メニューや練習方法を動画付きでお届けしています。

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