■クラブを良くするために保護者が"やってはいけない"こと
このコーナー第六回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに、「クラブを良くするために保護者が"やってはいけない"こと」についてお話しをお聞きしていきます。
「前回はクラブを良くするために、保護者の方々に"やってほしいこと"についてお話しをしました。今回はクラブを円滑に運営する上で、保護者が"やってはいけない"ことを紹介したいと思います。保護者が良かれと思ってとった行動が、実は子どものためになっていなかったり、チーム運営の妨げになっている姿を時折見かけます。
ここで挙げる3つの事柄に照らし合わせて、他の親や監督・コーチとの接し方を振り返り、子どもやクラブにとってプラスになる振る舞いとはどのようなものかを、もう一度確認してほしいと思います。
【その1:チーム内で反目する】 まず、最初の"やってはいけないこと"は"他の親と反目し、敵を作ること"です。人が集まれば、自然とグループが生まれます。それ自体は当然のことですが、グループ同士で反目し、他の親を批判するなどの行為はつつしんでください。親がすべきことは、子どもやクラブに対する前向きなサポートです。保護者の方々は"自分もクラブの一員なんだ"と考えて、周りの親と協力し、クラブにとってプラスになる行動を心がけてみてください。それが結果として、子どもを導くための良いサポートになるのだと思います。
【その2:他のチームと比較し、自チームを批判する】 そして、二つ目の"やってはいけないこと"は"他のチームの環境や指導内容と比較をし、批判すること"です。たとえば"うちのチームは土のグラウンド。相手は人工芝のグラウンドを持っているんだから、負けてもしょうがないよ"や"あっちの監督は指導者ライセンスを持っているんだって。それに比べてうちの監督は......"といったように、他のクラブに比べて劣っているところをあげつらえ、批判をしてもなにも良いことはありません。
いまある環境でどう上手くなるか、どうやったら強くなるかを考えるほうが、よほど建設的です。これはついつい、試合に負けた後などに言ってしまいがちなので、気をつけてほしいと思います。
【その3:監督・コーチの不平・不満を口にする】 3つ目の"やってはいけないこと"は、"他の親と共謀して、監督やコーチの不平・不満を口にすること"です。親同士が話していることは、必ずどこかで子どもの耳に入ります。その結果、子どもは指導者の言葉を素直に受け入れることができなくなります。監督やコーチの批判は、子どもと指導者の信頼関係を壊すことになりかねないので、ぜひとも控えてほしいと思います」
大儀見浩介// メンタルトレーニング・コンサルタント。東海大学体育学部にて応用スポーツ心理学を学び、サッカーだけでなく、新体操女子U18日本代表や教育、受験対策など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。著書に「クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー 世界一わかりやすいメンタルトレーニング」(朝日新聞出版)、「心理戦術が日本サッカーを進化させる」(白夜書房)がある。
公式HP『Mentalista』(PC)
http://www.mentalista.jp
記事提供:少年サッカーの保護者向け情報サイト[サカイク]

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