情操教育のニュース一覧 教育情報サイトeduon! http://eduon.jp/ 情操教育のニュース一覧です。 ja The copyright of the materials belongs to the CYBRiDGE CORPORATION. unless stated otherwise. 2011-12-22T08:11:10+09:00 CYBRiDGE CORPORATION 教育情報サイトeduon! <![CDATA[ 【第12回】子どものメンタル、親のメンタル - プラスの会話に親子でトライ ]]>
このコーナー第12回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに「親子間のポジティブな会話」についてお話をお聞きしていきます。子どものやる気を伸ばすために、日頃の声かけはとても重要です。前回までにお話しした『誉める』ことを始め、ポジティブな、プラスの会話を心がけてみてください。大人だって、失敗やできないことをあげつらって指摘されるより、できたことを認めてもらい、誉められた方がうれしいですよね。親子間でも同様に、プラスの声かけをすることで子どものやる気を高め、色々なことに前向きに取り組むようになるのが理想の姿です。

それでは、親子間でのポジティブな会話とは、どのようなものでしょうか? ここでは、試合後の理想的な会話について紹介したいと思います。
<<試合後の理想的な会話>>

親:「今日の試合、どうだった?」
子:「負けちゃった」
親:「あらそう。あなたのプレーはどうだった?」
子:「2点とった」
親:「すごいじゃない。日頃の練習の成果が出たのね」
子:「でも、3点とられて、負けちゃった」
親:「惜しかったね。でも、2点とったのはすごいよ。これからも、練習頑張って」
子:「うん。わかった」


<<試合後の良くない会話>>

親:「今日の試合、出場したの? 勝ったの?」
子:「出たけど、負けた」
親:「なんで負けたの! ダメねぇ。情けない......」
子:「......(うるさいなぁ)」


ここに挙げた良い例と悪い例は、どこに違いがあるでしょうか? 

良い例は、勝ち・負けなどの結果ではなく、子どもがどれだけできたか、プレーの内容にフォーカスしています。一方の悪い例は、結果に意識がいき、勝った・負けたで良い・悪いを判断しています。

サッカーは相手があるスポーツです。良いプレーをしても、チームメイトのミス等で負けることもあります。結果ではなく、内容に目を向けて話をしてあげてください。そこで良い例のように、「練習頑張って」など、明日からの練習にやる気が出るような言葉をかけてあげることができたら最高です。

育成年代では、結果以上に内容も大切になります。勝ち負けについてだけ話をするのではなく、成長するためにはどうすればいいか? という視点を持って声をかけてあげることができたら、すばらしいと思います。


大儀見浩介//
メンタルトレーニング・コンサルタント。東海大学体育学部にて応用スポーツ心理学を学び、サッカーだけでなく、新体操女子U18日本代表や教育、受験対策など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。著書に「クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー 世界一わかりやすいメンタルトレーニング」(朝日新聞出版)、「心理戦術が日本サッカーを進化させる」(白夜書房)がある。
公式HP『Mentalista』
http://www.mentalista.jp[記事全文]]]>
【第12回】子どものメンタル、親のメンタル - プラスの会話に親子でトライ 2011-12-22T08:11:10+09:00
<![CDATA[ 【第11回】子どものメンタル、親のメンタル - いろいろある上手くほめる技術 ]]>
このコーナー第11回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに「誉め方のテクニック Part2」についてお話をお聞きしていきます。前回は相手を『誉める』ときに有効な『サンドウィッチ・テクニック』を紹介しました。相手を誉めることは、コミュニケーションの面でも有効です。また、相手を誉めることで、誉めた側の頭の中もプラス思考になるので、互いにプラスの効果があります。

わたしは講習会をするとき、集まった人同士で握手をしながら、見た目でも雰囲気でも洋服でもなんでもいいので、お互いの良いところを3つずつ誉めあってもらいます。すると参加者のみなさんが笑顔になり、リラックスした雰囲気が生まれます。また、頭の中がプラス思考になっているので、相手の話を受け入れやすい状態になるんですね。

誉め方にも、いくつかの方法があります。『人を介して誉める』のも、効果的な方法のひとつです。直接、誉められるのもうれしいですが、「コーチがあなたのことを誉めていたよ」と第三者を介して言われると、違う種類のうれしさを感じると思います。また、間に立った人も、誉めていたことを相手に伝えることで、頭の中がプラス思考になります。一石二鳥ですね。

誉めるときは『イメージが浮かぶような誉め言葉』を使うのも効果的です。良かった行動やプレーの例をあげて、具体的にどこがどう良かったかを伝えると、言われた側は次から意識して行動するようになります。

兄弟の前で誉める時も、「試合には負けたけど、最後まで諦めずに走りきっていたね」と具体的に誉めることで、それを聞いた別の兄弟も「なるほど。最後まで諦めないことが大事なんだな」と、イメージすることができます。

このように、子どもと接するときは『誉め』を効果的に使うと良いと思います。誉めることで背中を押し、新しい何かにチャレンジするときの手助けをしてあげることができたら最高です。

『誉め』をうまく使って、プラスのコミュニケーションをとってみてください。



大儀見浩介//
メンタルトレーニング・コンサルタント。東海大学体育学部にて応用スポーツ心理学を学び、サッカーだけでなく、新体操女子U18日本代表や教育、受験対策など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。著書に「クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー 世界一わかりやすいメンタルトレーニング」(朝日新聞出版)、「心理戦術が日本サッカーを進化させる」(白夜書房)がある。
公式HP『Mentalista』
http://www.mentalista.jp[記事全文]]]>
【第11回】子どものメンタル、親のメンタル - いろいろある上手くほめる技術 2011-12-21T08:26:18+09:00
<![CDATA[ 言われたことをやるより自分で考えた方が楽しい!サッカーは自由なスポーツだから ]]> 「どう動くか?」について考える子はいても、肝心な「どうすれば相手に勝てるか?」を考えている子は、あまり多くはないというのが、ぼくの印象です。

スクールなどで教えているとき、ぼくに「どう動けばいいんですか?」と聞きに来てくれる子は、日頃、コーチに「どこに動いているんだ!」と言われているんだと思います。ぼくらコーチは「なぜあの選手はそこにいるんだ?」と疑問があっても、その選手なりに「ゴールを決めたくてこうしました」という理由があればいいと思う。その気持ちを出発点として、「それだったら、こういう動き方もあるよ」と気付かせることはできるから。

ほかにも、「レギュラーになるためにはどうすればいいですか?」と聞かれることもあります。きっと、サッカーに真面目に向き合っているんでしょうね。そういう選手は応援したくなる。ぼくのアドバイスを聞くことも大事だけど、それよりもまずしてほしいのが、自分で自分の課題をみつけること。コーチに分析させるのではなく、自分で自分を分析することが大事なんです。

たとえば、相手ゴール前でパスを受けたときに、ファーストタッチで足元にボールを止めずに、スペースに出せばシュートまでいけた場面があるとします。ミスはだれにでもあることだから、それについてはなんの問題もない。

だけど、多くの選手はミスをしても、「失敗したな」という顔をして、終わりなんですよね。ミスのあとに「こうすればうまくいったな」という反省がない。ただ何も考えずにプレーをして、「コーチ、どうでしたか?」と聞きにくる。そこでアドバイスを言われた通りやって、また「コーチ、どうでしたか?」とぼくのところへ来る。

そこで「いいタイミングでボールが来たのに、トラップが乱れてシュートが枠にいかなかった」という反省があれば、「ボールコントロールの精度が甘いな」と自己分析して、それに合った練習をすればいいわけです。

■サッカーは自由なスポーツ。指導者任せではなく自分で考えることが大事
ぼくはコーチだから、「どうでしたか?」と聞かれたら、選手一人ひとりに課題を与えたり、アドバイスをしてあげたいと思います。でもその前に、ちょっと立ち止まって考えてみてほしい。いまのプレーについて、自分はどう考えているのかって。指導者任せにするのではなく、まずは自分で考えること。それを繰り返していくことが、上達の道なんだと思います。

コーチに言われたことだけをやるよりも、自分で考えて、工夫したほうが楽しいよね。サッカーは自由で楽しいスポーツなんですから。


小島 直人//
こじま・なおと
海外での選手経験の後、指導者として中学、高校、地域クラブや東京ヴェルディコーチとして様々なカテゴリーの指導にあたる。情熱的で卓越したコーチングスキルには定評があり、NIKEエリートトレーニングでは専属コーチとして毎年1万人以上の中高生をクリニックで指導した。現在は、大森FCの代表を務める。[記事全文]]]>
言われたことをやるより自分で考えた方が楽しい!サッカーは自由なスポーツだから 2011-12-20T07:53:37+09:00
<![CDATA[ サッカーをうまくなるためには?プレーの基本「トラップ」を理解しよう! ]]>
■トラップは全てのプレーの基本
今回は1回目なので、基本的なことから話をさせてください。テーマは「トラップ」です。みなさん、トラップってなんでしょう? 多くの人は「ボールを止める」ことだと理解していると思います。サッカーで大切なプレーは「止める・蹴る」といいますが、その「止める」に当たるものです。ボールを自分の思ったところに止めることができれば、次のプレーにスムーズに移ることができます。

トラップはすべてのプレーの基本だと、ぼくは思います。いくらチームのコンセプトを理解し、プレーのアイデアを持っていたとしても、ボールを自分の意図したところに止めることができなければ、実行することができないからです。

だから、トラップの練習はしてほしいと思います。それもただボールを「止める」のではなく、自分が次のプレーに移りやすいように「コントロール」する練習を。サッカーはドリブルだけでは成り立ちません。パスもあります。パスを出すということは、当然、パスを受ける人もいます。うまくなりたいと思うなら、プレーの第一歩であるトラップをしっかりとできるようになること。そのトラップが、ゴールを目指すための「コントロール」になっていたら最高です。ボールを自分がプレーしやすいところに置く・動かす。それはすごく大事なことです。ちなみに英語でトラップは「ストップ(止める)」ではなく「コントロール」です。

■「止める」ではなく「コントロール」の練習を
よく、チームの子やお父さん、お母さんに、「どんな自主練をすればいいですか?」と聞かれます。そこでやってほしいのがコントロールの練習。ボールを頭上に蹴り上げて、落ちてきたところを、インサイドやアウトサイドを使って、1回でコントロールしてみてください。この練習はリフティングと同じスペースがあればできます。

自分の思うところにボールをコントロールできるようになったら、友達やお父さんに投げてもらうのもいいと思います。試合中、浮いたボールをコントロールして、グラウンダーのパスをするのは基本のプレーです。実戦をイメージして、いろいろ考えて、工夫してトレーニングをしてみてください。

いま人気があるバルセロナのパスをつなぐサッカーも、グラウンダーの強いパスで成り立っています。ボールを正確にコントロールして、強くて速いグラウンダーのパスを出す。そこに背の高さや足の速さは関係ありません。バルセロナのシャビやイニエスタにしても、決して身体が大きくなければ、足もそれほど速くはない。だけど、正確な技術ですばらしいプレーを連発しています。やっぱり、大事なのは基本。それを子どもたちに忘れないでいてほしいと思います。


小島 直人//
こじま・なおと
海外での選手経験の後、指導者として中学、高校、地域クラブや東京ヴェルディコーチとして様々なカテゴリーの指導にあたる。情熱的で卓越したコーチングスキルには定評があり、NIKEエリートトレーニングでは専属コーチとして毎年1万人以上の中高生をクリニックで指導した。現在は、大森FCの代表を務める。[記事全文]]]>
サッカーをうまくなるためには?プレーの基本「トラップ」を理解しよう! 2011-12-19T08:34:39+09:00
<![CDATA[ 【第10回】子どものメンタル、親のメンタル - 上手くほめる技術とは ]]>
このコーナー第10回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに「誉め方のテクニック」についてお話をお聞きしていきます。
子どもの気持ちを乗せ、やる気をアップさせる。そのために効果的なのが、『誉める』ことです。第4回でもお伝えしましたが、子どもの努力やチャレンジを誉めることで肯定し、「もっとうまくなりたい」という気持ちに火をつけることができたら、どんどん上達していきます。

とはいえ子どもの中には、要領が悪く、失敗を繰り返す人もいます。そんな時こそ、失敗を指摘して怒るのではなく、『誉め』を効果的に使ってみてください。誉めるときのポイントは、結果だけを見て判断するのではなく、チャレンジしたことや努力の過程に目を向けることです。

『失敗は成功のもと』とはよく言ったもので、チャレンジに失敗は付き物です。そこで失敗に対して「なにやってるんだ!」と非難すると、次からチャレンジしようという気持ちはなくなり、確実にできることだけに意識が向かいます。それでは、なかなか成長に結びつきません。

新しいこと、できないことにチャレンジするときに失敗するのは当たり前。そう思っていると、ちょっとしたミスや失敗に腹をたてにくくなります。ミスをしたときは「次、次」と気持ちを切り替えさせ、うまくいったことがあれば、そこにフォーカスして徹底的に誉める。これを意識して、子どもと接してみてはいかがでしょうか。

ミスに対してアドバイスをしたいときにお勧めなのが『サンドウィッチ・テクニック』です。これはアドバイスを『誉め』で挟む方法です。たとえば、シュートミスが続いている子どもにアドバイスをするとき。

<最初に「シュートに向かう意識が高くていいぞ!」と誉めて、心の耳をこちらに向けさせます。次に「もう少し、コースを狙って蹴ってみたらどうだ」と、アドバイスを伝えます。そして最後に、「キミのシュート力があれば、相手のGKはキャッチできない。思い切ってプレーしよう」と、誉めることで気持ちを乗せて、やる気にさせます。

プラスの言葉をかけることで、心の耳を開かせてからアドバイスをし、プラスの言葉で締めくくる。そうすることで、言われた方も気分良く、アドバイスを受け入れることができます。これは子どもに限らず、大人同士でも有効なテクニックなので、日常生活等でぜひ使ってみてください。


大儀見浩介//
メンタルトレーニング・コンサルタント。東海大学体育学部にて応用スポーツ心理学を学び、サッカーだけでなく、新体操女子U18日本代表や教育、受験対策など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。著書に「クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー 世界一わかりやすいメンタルトレーニング」(朝日新聞出版)、「心理戦術が日本サッカーを進化させる」(白夜書房)がある。
公式HP『Mentalista』
http://www.mentalista.jp[記事全文]]]>
【第10回】子どものメンタル、親のメンタル - 上手くほめる技術とは 2011-12-19T08:33:51+09:00
<![CDATA[ 「"ずるさもうまさのうち"は本当なの!?」マリーシアについて ]]> それに対して、いちいち「痛いなこのやろう」とか、「レフェリー! 服を引っ張りました」なんてアピールしてもしょうがなくて。ぼくが指導をしている中学校2年生にしても、いっしょに試合をすると、コーチであるぼくに対して、なんの遠慮もなく服を引っ張ってくる選手もいます。でもそれはマリーシア的な引っ張りではなくて、戦いなんですよね。ずるがしこいとか、そんなんじゃなくて、勝ちたい気持ちがあふれてきて、抜かれそうになると必死になって、思わず手が出てしまう。

プレーしている側からすると、集中しているから、少しぐらい引っ張られても気にしない。それが当たり前だというレベルになっている。だから、練習の時は多少のファウルがあっても流すし、試合以上のテンションでプレーする空間を作ることを心掛けています。

ぼくのチームの中2が練習試合をしたときのこと。ボールを持っている選手に対してガツンとぶつかって、マイボールにした。ぶつかられた相手は、ぶつかり合うということに慣れていないのか、「痛いなこのやろう!」と怒ってしまいました。だけど、ちょっと待ってほしい。サッカーはフィジカルコンタクトが認められているスポーツ。ぼくの目から見ても、たしかに激しいプレーだったけど、相手を傷つけようと思ってコンタクトしているわけではないように見えた。激しいプレーと悪質なプレーは違う。その見極めは指導者がしっかりしなくてはいけないし、選手も理解してほしいと思います。

■謝るよりも、次のプレーについて考えろ
マリーシアでおもしろい話があって、相手チームの選手がファウルをして、FKになりました。うちのチームの選手が痛がっていたので、相手チームの監督が、ファウルをしたそのチームの選手に対して「ちゃんと謝れ」って怒鳴っているのです。言われた選手は素直に、「ごめん。大丈夫?」と言いにいこうとしたんだけど、うちのチームは相手が謝っているときに素早くリスタートをして、そのプレーでゴールしてしまったんです。

ぼくは、うちのチームの選手たちの判断は「ナイスプレー」だと思っています。謝るのは、あとでいい。極端な話、試合が終わってからでもいい。別に、ファウルをした選手だって、ケガをさせようと思って蹴っ飛ばしたわけじゃないんだから。ボールを奪おうとして、足を蹴ってしまった。それはよくあることだから。

選手たちは、勝つために必死に考えています。ぼくは選手たちに、「たとえミスをしたとしても、いちいち味方に謝るな」と言っています。「謝るよりも、次のプレーについて考えろ」って。その習慣が、試合でも出てしまったんでしょう。ぼくらのチームの指導スタンスと、相手チームの指導方針の違いが浮き彫りになった出来事だったので、いまでもよく覚えています。


小島 直人//
こじま・なおと
海外での選手経験の後、指導者として中学、高校、地域クラブや東京ヴェルディコーチとして様々なカテゴリーの指導にあたる。情熱的で卓越したコーチングスキルには定評があり、NIKEエリートトレーニングでは専属コーチとして毎年1万人以上の中高生をクリニックで指導した。現在は、大森FCの代表を務める。[記事全文]]]>
「"ずるさもうまさのうち"は本当なの!?」マリーシアについて 2011-12-16T08:44:47+09:00
<![CDATA[ 【第9回】子どものメンタル、親のメンタル - リラックスするための方法 ]]>
このコーナー第9回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに「リラックスするための方法」についてお話をお聞きしていきます。大切な試合の前――。緊張している子どもに、なんと声をかけますか? おそらく、多くの人が「リラックス」や「力を抜いて」と、優しく声をかけると思います。では、どうすればリラックスすることができるのでしょうか?

方法のひとつに、深呼吸があります。深呼吸はどこでも手軽にできるので、おすすめのリラックス法です。それでは、実際にやってみましょう。深呼吸をしてみてください。

・・・さて、深呼吸をした人の多くが、最初に鼻から息を大きく吸ったと思います。実はそのやり方は、正しい方法ではないのです。正しい深呼吸のやり方は、次のようなものです。

1.口から息をスーっと、細く長く吐く
2.鼻からゆっくり、大きく息を吸い込む
3.口から細く長く、息を吸う時の3倍の時間をかけて吐き出す


それでは、正しい方法でやってみてください。気持ちが落ち着いた感じがしませんか? 深呼吸にはリラックスのほかに、次のような効果があります。

・集中力が高まる
・気持ちが切り替わる


深呼吸をするときは、胸を張り、顔を上げて行ってください。下を向くと胸郭が圧迫され、呼吸が浅くなってしまいますからね。

深呼吸は簡単にできて、すぐに効果が現れるリラックス法です。緊張して、体に力が入っているときに深呼吸をすると、気持ちがスーっと落ち着いていきます。試合前やPKを蹴るときなど、緊張を感じ取ったときにやってみると良いと思います。親御さんは子どもの姿を見て、「緊張しているな」と思ったら、「深呼吸しよう」と声をかけてあげてください。

深呼吸はリラックスだけでなく、気持ちを切り替える方法としても効果的です。たとえば、試合中。集中が続かなくなったときには、どこか一点を見つめて深呼吸をします。これは「フォーカルポイント」という心理的なテクニックで、「ある一点を見て深呼吸をすることで、気持ちが切り替わり、集中が高まる場所」のことを言います。

フォーカルポイントは、遠くに見える静止物ならなんでもOK。普段の練習からフォーカルポイントを意識して、リラックスや集中のトレーニングをするよう、声をかけてみるのも良いと思います。



大儀見浩介//
メンタルトレーニング・コンサルタント。東海大学体育学部にて応用スポーツ心理学を学び、サッカーだけでなく、新体操女子U18日本代表や教育、受験対策など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。著書に「クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー 世界一わかりやすいメンタルトレーニング」(朝日新聞出版)、「心理戦術が日本サッカーを進化させる」(白夜書房)がある。
公式HP『Mentalista』
http://www.mentalista.jp[記事全文]]]>
【第9回】子どものメンタル、親のメンタル - リラックスするための方法 2011-12-16T08:43:07+09:00
<![CDATA[ 親も知っておくべき『セレクション』の知識 ]]> まず、セレクションを受ける前に知っておきたいのが、クラブの練習場へ行くまでにかかる時間です。アカデミーに入る条件として「自力で通えること」という内部規定があるところが大半です。中には、「クラブまで90分以内で通うことができる人」などと、明記しているところもあります。

保護者が送り迎えをしたり、子どもが電車を乗り継いで行ったりと、通うことができる範囲に居住していることが、セレクションを受ける上で前提になります。クラブによっては寮があったり、親元を離れて一人暮らしをする、あるいは親戚や知人の家で暮らすなどの方法もありますが、その場合は、しっかりと検討することが必要です。

セレクションを受けるためには、いつ、どこで実施するかを知る必要があります。自分が入りたいクラブのホームページをチェックし、日時を確認しましょう。多くのクラブは9~11月にかけて、セレクションを実施します。参加費(金額はクラブによって異なる)を支払い、クラブの所有するグラウンドなどでセレクションを受けます。

■セレクションの内容と事前の心構え
セレクションの内容はゲーム形式、体力測定などです。セレクションの合否を判定する際、技術や体力、メンタルはもちろんのこと、「なにか光るものを持っているか?」という視点で見られることが多いようです。その選手ならではの特徴、武器をセレクションで発揮することができれば、合格の可能性は高まると言えます。

セレクションは何回かに分けて実施され、数百人が受験して合格者は数名程度と、かなりの狭き門です。クラブによって、セレクションの時期や内容、合格者数などは変わるので、ホームページ等で情報を入手してみてください。セレクションを受けるときは、保護者も子どもも緊張すると思いますが、サッカーを楽しむ気持ちを忘れずに、積極的にチャレンジできると良いと思います。

■セレクション以外の加入方法
ここまでは、セレクションについて話を進めてきましたが、セレクションだけで、Jrユースに入る選手が決まるわけではありません。Jリーグのクラブへの新たな流れになっているのが、Jクラブが主宰するスクールに通い、そこから選抜されて昇格する方法です。これは、小学生のときは街クラブに所属しながらJクラブのスクールに通い、コーチの目にとまった選手が練習参加などを経て、Jrユースへの加入を奨められるというものです。いわゆるスカウトもありますし、それ以外に、ジュニアチームを持っているクラブの場合は、多くがジュニアチームからの昇格になることもあります。

Jクラブのアカデミーに入るためには、ここで挙げたようなルートがあります。クラブによって事情は異なるので、自分の子どもを通わせたいクラブの現状はどうなのかをクラブに問い合わせたり、実際に子どもを通わせている保護者にリサーチするなどして、情報を集めてみましょう。



鈴木智之//
すずき・ともゆき
スポーツライター。「サッカークリニック」「サッカー小僧」「スポーツナビ」等に、選手育成・指導法の記事を中心に寄稿。著書に「サッカー少年がみるみる育つ! 有名校・強豪チームの現場に学ぶ超効果的指導法」など。近著に、講談社の無料サッカーサイト「ゲキサカ」で300万ページビューを記録した「青春サッカー小説 蹴夢」がある。[記事全文]]]>
親も知っておくべき『セレクション』の知識 2011-12-15T08:07:42+09:00
<![CDATA[ サッカー少年にもオススメ。読み聞かせで心の悩みを解決! ]]> 小学生年代では、友だちに「チビ」、「デブ」と言われたなどの容姿へのコンプレックスや、友人との対人関係に問題を抱えていることもあります。また、やりたいことが上手くできないなどの現実との壁に直面することもあるでしょう。けれども、そういった悩みを抱えていることを保護者に打ち明ける子どもは少ないかもしれません。むしろ自身の弱みを大切な家族に知られたくないとの思いから、頑なになって心を閉ざしてしまう可能性もあります。

それならば、夜寝る前の時間を利用して、本の読み聞かせをしてみてはいかがでしょうか? 子どもの本には、心の悩みを和らげ、自信とやる気を取り戻すきっかけをつくる作用もあるのです。
読み聞かせといえば、動物や乗り物が擬人化された絵本を、子どもが小さかったころに子守唄の代わりに読んであげた経験のある保護者も多いことでしょう。そのせいか、赤ちゃん向けだという幼稚なイメージや、小学生になったら自分で読んだほうがいいとの考えもあるかもしれませんが、とくに幼児までが対象ということではありません。

学年や年齢に見合った児童文学の作品を読んであげればいいのです。6年生になっても子どもさえ嫌がらなければ、どんどん読んであげてください。大好きなお父さん、お母さんと一緒に潜り込むポカポカの布団のなかは、子どもにとって安らぎの空間なのですから。


■本選びには図書館を利用してみる
ところで、いざ「本の力を借りてみよう!」と思ってもどんな本を選んだらよいのか迷ってしまうことでしょう。書店に出向いても、そこにはいろいろな種類の児童書が溢れています。たとえば、子どもが自信を失っている時には、「弱虫な主人公が冒険の旅にでて、仲間とぶつかり合いながらも友情を育み、そこで待ち構える困難なことを乗り越えて、前よりも強くなって元の居場所に戻ってくる」といったファンタジーの王道的な要素のある物語が最適ですが、それだけでも数え切れないほどの作品があり、理解できる年齢も様々です。対象年齢が12歳の本を6歳の子どもに読んであげても意味はありません。

そこで、まずは図書館を利用してみることをオススメします。ほとんどの施設は、一般書とは別に児童書のスペースを設けてあり、豊富な情報量を誇ります。学年別に推薦図書のパンフレットが用意されていることも多く、あらすじや書評が書かれているので本選びの参考になります。児童文学の専門的な知識をもつ司書や職員もいますので、子どもの状況にあわせて、どういうテーマのものを選べばよいのか相談してみるのもよいかもしれません。きっと、数ある蔵書のなかから最適な一冊を紹介してくれることでしょう。


■読み聞かせのポイントは?
実際に読み聞かせをするときには、台詞などを感情移入して読まないほうがよいと言われています。聞き手の子どもが、物語の中に自分の世界を作り上げる余地をなくしてしまうからです。そして、「どうだった?」、「おもしろかった?」と感想を聞かないことも大切です。話の途中や読み終わるたびに質問をされたら、大人でも、うっとうしく感じると思います。「本を読んでもらうと、感想を言わなくちゃいけないから面倒くさい」そうなってしまえば、自然と本が嫌いになってしまうことは言うまでもないでしょう。本を読み終わったら、明かりを消して「おやすみなさい」をするだけで十分です。

もちろん、保護者にとっては「ちゃんと理解ができたのかしら?」と気がかりかもしれませんが、あれこれと教えすぎてしまったり、大人の意見を押し付けたりしては、子どもが自分自身で解決しようとする力も育ちません。育成年代のサッカーでも「教えすぎ、与えすぎはよくない。子どもたちが自分で考える力をつけることが重要だ」と多くの指導者は言います。読み聞かせにしても同じことです。保護者は子どもにきっかけだけを与えます。あとは本人が感じ取って、自らで問題を解決しようとする行動力と勇気を身に付けていくことが大切だと思うのです。



山本浩之 //
やまもとひろゆき
フリーライター。神奈川県出身。絵本・児童文学研究センター(北海道小樽市)で子どもの本を学ぶ。現在は、神奈川県内のスポーツ少年団、市立中学校でサッカーの指導をしながら、キッズ、小学生、中学生などの育成年代のサッカーを中心に取材活動をしている。[記事全文]]]>
サッカー少年にもオススメ。読み聞かせで心の悩みを解決! 2011-12-14T07:58:45+09:00
<![CDATA[ 【第8回】子どものメンタル、親のメンタル -「監督やコーチに対して"やってはいけない"こと」 ]]> このコーナー第八回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに、「保護者が監督やコーチに対してやってはいけないこと」についてお話しをお聞きしていきます。「保護者の熱意が高まるに連れて、監督やコーチの領域に足を踏み入れてしまうことがあります。今回は保護者の方が"監督・コーチに対してやってはいけないこと"について、話をしたいと思います。

【その1:子どもの売り込み】
まず一つ目の"やってはいけないこと"が、"子どもの売り込み"です。"うちの子はこんなにがんばっているんだから、試合に出してあげてください"と、指導者にアピールをしたくなる気持ちもわかりますが、選手起用は指導者の領域です。監督には監督の考えがあって、選手を使うか、使わないかを決めています。試合に出られない子は何か理由があるわけで、まずはその理由に気がつくことが大切なのです。日々、努力をして上達すれば、試合に出るチャンスは必ず回ってきます。試合に出る権利は子どもが勝ち取るものであって、親が進言するものではありませんよね。

【その2:監督やコーチを家に招待したり、贈り物をする】
それに関連して、二つ目の"やってはいけないこと"は、"迷惑を省みずに、監督やコーチを家に招待したり、贈り物をすること"です。家に招待して"うちの子はこんなに練習したんですよ"とアピールをしたり、贈り物をして、自分の子どもに目をかけてもらおうとする保護者もいます。また、保護者にその自覚がなくても、結果的に子どもの売り込みになっている場合もあるので、気をつけたいところです。

【その3:試合中のアドバイス】
三つ目の"やってはいけないこと"は"練習や試合中に監督・コーチを差し置いて、自分の子どもにアドバイスをすること"です。保護者が監督・コーチの指示とは違うアドバイスをすると、子どもはどちらを信じてプレーすればいいのか、混乱してしまいます。技術があり、高い能力を持ちながら伸び悩んでいる選手の中には、保護者のコーチングが熱心なあまり、指導者と保護者の間で板挟みになり、プレーに迷いが出てしまうケースもあるのです。グラウンドでは監督・コーチにすべてを任せ、保護者の方は子どもが自発的にプレーできるようにサポートをしてあげてください。それがサッカーをする子を持つ親の心構えとして、もっとも大切なことなのだと思います」



大儀見浩介//
メンタルトレーニング・コンサルタント。東海大学体育学部にて応用スポーツ心理学を学び、サッカーだけでなく、新体操女子U18日本代表や教育、受験対策など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。著書に「クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー 世界一わかりやすいメンタルトレーニング」(朝日新聞出版)、「心理戦術が日本サッカーを進化させる」(白夜書房)がある。
公式HP『Mentalista』
http://www.mentalista.jp[記事全文]]]>
【第8回】子どものメンタル、親のメンタル -「監督やコーチに対して"やってはいけない"こと」 2011-12-14T07:58:04+09:00