受験生の親に私立大学医学部への裏口入学を斡旋すると嘘を言い、現金計1600万円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は元「ニューフィルハーモニー管弦楽団」常任指揮者の武田章夫容疑者(54)ら4人を逮捕した。
武田容疑者は自信を「有名な音楽家」と名乗り信用させた上で2005年10月と11月、東京都内の私立大学医学部への進学を希望している受験生の親に「私はいろいろな人にコネがある。」「教授に1000万円預ければ合格できる」「あと600万円渡せば確実に合格できます。」などと偽り、詐欺行為に及んでいたという。
ほかに逮捕されたのは●大阪府茨木市、会社役員・長尾俊行（６１）▽大阪市北区、同伊藤教博（５８）▽埼玉県春日部市、同鈴木忠一（５９）――の3名で、4人は大筋で容疑を認め、手に入れた金は分配したという。
同年12月になっても合格通知が届かず、受験生の親が武田容疑者を問いただしたところ「もっと金がいる」と言われ、翌年告訴していた。
武田容疑者は昭和51年に大阪音楽大を卒業後、武田博之の名で関西を中心に活動するオーケストラで常任指揮者を務め、平成元年には大阪市が文化振興に貢献した人に贈る「咲くやこの花賞」を受賞、95年には阪神在住の音楽家らと阪神大震災の犠牲者追悼コンサートに参加するなど盛んに活動していたが、告訴された当時はすでに同管弦楽団は活動を停止していたという。
