2022年版QS世界大学ランキング発表


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大学 2022年版QS世界大学ランキング発表

配信元:私塾界 06月11日07時25分

QS Quacquarelli Symonds社(ロンドン)が、世界大学ランキング(第18版)を発表した。

最新版では、ランク入りした日本の大学の半数近くが昨年よりも順位を下げる結果となっている。順位を下げた大学があった一方で、東京大学は世界ランキングで順位を1ランク上げて同率23位、アジアの大学では6位になった。東京大学は過去10年間で1度だけ、23位よりも高く順位付けされたこともある(2020年、22位)。マサチューセッツ工科大学(MIT)は10年連続で世界1位に選ばれ、これまでの連続記録を更に更新した。オックスフォード大学が2006年以来、2位に返り咲いた一方で、スタンフォード大学とケンブリッジ大学の2校は同率3位だった。

 QSが発表したランキングには日本の大学48校が含まれており、昨年版よりも7校増加した。48校の内訳は以下の通り。

• 順位を下げた大学:23校(47.9%)
• 順位を上げた大学:5校(10.4%)
• 同順位を維持した大学:17校(35.4%)
• 今回初めてランク入りした大学:3校

日本の大学のハイライト

• 京都大学(33位)は前年よりも5位上昇し、2011年以降で最高の順位になっている。
• 東京工業大学(前年度と同じ56位)は、2009年版で自己最高順位を獲得した以降、その順位を維持している。
• 大阪大学は同率75位に順位を下げた。これは同大学にとって当ランキング史上2番目に低い順位。これより順位が低かったのは2005年(105位)のみ。
• 慶應義塾大学(201位、10ランク下降)は上位200校に入らなかった。同大学はこれまでに15回ランキング掲載されているが、上位200校に入らなかったのは4回のみ。
• 早稲田大学(203位)は2019年版で上位200校入りを果たしたが、今回は上位200校には入らなかった。
• 東京医科歯科大学はFaculty/Student Ratioが卓越しており、100点満点を獲得した。Faculty/Student Ratioで100点を獲得した日本の9大学のうちの1つ。

評価方法
QSは6種類の指標を利用してランキングを作成している

(1) Academic Reputation(学術関係者からの評判):130,000人以上の学術関係者から回収したアンケート調 査の回答に基づいている。
(2) Employer Reputation(雇用者からの評判):75,000人以上の雇用者から回収したアンケート調査の回答に基づいている。同アンケートでは、大学との関係や卒業生の雇用可能性について調査している。
(3) Citations per Faculty(教員一人当たりの論文被引用数):研究の影響力を測定するもの。各大学が過去5年間に発表した研究論文の被引用数の合計を、その大学の教員の人数で割って算出する。
(4) Faculty/Student Ratio(学生一人当たりの教員比率):教育力を表す指標で、学生の人数を教員の人数で割って算出します。これを参照することで、世界中の学生が志望大学のクラスの規模を予想できる。
(5) International Faculty Ratio(外国人教員比率):国際化の度合いを測定するQSの2つの指標の1つであり、各大学の外国人教員の比率を測定するもの。
(6) International Student Ratio(留学生比率):国際化の度合いを測定するQSの2つの指標のもう一方であり、各大学の留学生の比率を測定するもの。海外の学生から見た大学の国際的な魅力度を間接的に表している。

 QS社のリサーチ責任者であるベン・ソーター(Ben Sowter)は次のように述べている。「QS世界大学ランキングで、日本の大学は苦戦が続いています。そのため、このような後退傾向の背後にある理由を理解することがきわめて重要です。基礎データをみると、世界の学界全般は依然として日本の大学を高く評価していることがわかります。日本の後退の主な背景として、研究業績の低下があげられます。20年にわたり知的資本に対する日本の投資が停滞してきたことの結果であり、例えば日本の博士課程に在籍する学生の総数をみると、2003年時点と比べ、ほぼ半数にまで減っています。一方、中国は一貫して博士号の数を増やしており、日本と中国の差は顕著になっています。またスイスも、博士号課程の学生に寛大な財政支援を行っています。今年の初め、日本では「大学ファンドの創設」が新たに発表されました。これは衰退しつつある日本の研究成果の復活に向けた、希望の持てる一歩ですが、投資開始は2022年以降であり、我々のランキングにおいて成果が目に見えるようになるまでには、そこからまだ数年かかるでしょう」

私塾界

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