千葉大学、COVID-19の重症化メカニズムを解明する臨床研究の成果が国際医学雑誌に掲載


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大学 千葉大学、COVID-19の重症化メカニズムを解明する臨床研究の成果が国際医学雑誌に掲載

08月03日07時38分

千葉大学(千葉県千葉市稲毛区)は2日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化メカニズムを解明する臨床研究の成果が、国際医学雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌(⽶国東部標準時間7⽉27⽇付)のオンライン版に掲載されたと発表した。

発表によると、この研究は千葉⼤学病院と千葉⼤学⼤学院医学研究院免疫発生学の研究グループが2020年7⽉から取り組んでいるもので、千葉大学病院と千葉県内の7つの協⼒病院、順天堂⼤学医学部附属順天堂医院、藤田医科⼤学病院、札幌医科⼤学附属病院において、研究への参加に同意した患者から提供してもらった肺組織検体と血液検体を用い、産業技術総合研究所、DLC研究所と提携して進められたという。

今回の臨床研究によって解明されたのは以下の通りだという。

1. COVID-19で亡くなった患者さん(8例)の肺の血管の周りに浮腫を伴った滲出性血管炎が起きていた。
2. 滲出性血管炎を起こした血管には感染した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が多数観察された。
3. 肺血管は傷つき、その内腔には血栓が形成され、血栓には血小板成分の1つであるMyl9(ミルナイン)というタンパク質が多量に沈着していた。
4. そこで、COVID-19の入院患者さん(123例)の血液を解析したところ、血中のMyl9濃度が上昇しており、COVID-19患者の重症度とその後の入院日数と相関していた。
5. 血中のMyl9濃度がCOVID-19の重症化判定および予測マーカーとなることがわかった。今後、血中のMyl9濃度の測定が重症度判定およびその後の病勢の予測に有用であることが示唆された。

今後、血中Myl9濃度の簡易測定キットの開発や、Myl9を標的とした新規治療法の開発を、企業と連携し行うという。

■新型コロナウイルス感染症の重症化メカニズムを解明―新たな重症化予測マーカーの同定―
https://www.chiba-u.ac.jp/others/topics/info/post_1088.html

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