新学期から、九州を含めた一部の小学5、6年生の英語学習(外国語活動)が始まる。小学校高学年の英語活動は新しい学習指導要領で必修化され、2011年度に全面実施されるが、学校の裁量で09年度から先行して実施できる。
旺文社が昨年実施した調査では、英語必修化に不安を抱く小学校は約5割で、教委の約2割に比べてかなり高く、「課題があり不安」と答えている。外国語指導助手(ALT)は十分か、英語指導経験がある教員はいるかなど学校現場の不安感は強い。
英語学習の授業時間数は週1コマ(45分)で、年間35コマを確保する。国語・算数・体育などのような「教科」とはせず、成績は付けない。積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成と、英語の音声や基本的な表現に慣れ親しむことを狙いとしている。
英語を学ぶ時期は早い方がいいが、中学校に入って初めて英語に接するより、小学校高学年から学習する方が「純粋に楽しみながら英語を吸収できる」という意見もある。
07年度の英語活動ではすでに全国の97%の小学校が取り組んでおり、6年生では月平均1コマ強のペースである。後は時間数を増やすだけであり、必修化の前倒しは容易であるが、今後必修となれば、その質が問われる。小学校教員で中学の英語免許を持っているのは約4%であり、英語教育に素人の教員が必修授業を担うには万全の備えが不可欠である。
旺文社「小学校の英語活動に関するアンケート」
http://www.obunsha.co.jp/files/document/090127.pdf