大学の設置認可のあり方を考える有識者会議の第1回会合が11月21日、文部科学省であった。会議は、田中真紀子文科相が、来年度に開設予定の3大学の認可を一時認めなかった問題を受けて発足した。
審査を厳格化するよう求める声のほか、審査基準に地域貢献度や社会人学生の受け入れを増やす取り組みなどを加えることを求める意見が出た。年内に提言をまとめ、早ければ2014年度の開学を目指す大学から新たな審査基準を適用する方針だ。
委員からは「地域への貢献をどれだけ考えているかを審査基準に加え、審査する側にも地域のニーズをよく知る人を入れるべきだ」との提案が出た。社会人学生の受け入れを増やす取り組みや、財務面の情報公開の徹底を条件にするよう求める意見も相次いだ。
座長を務める浦野光人・ニチレイ会長は会議終了後、1カ月後をめどに、文科相への提言を出したいとの意向を示した。来年度に行われる審査にできるだけ検討結果を反映させたいという。
〈有識者会議の委員〉
ニチレイ会長、浦野光人=座長▽全国高等学校PTA連合会会長、相川順子▽特定非営利活動法人NPOカタリバ代表理事、今村久美▽全国高等学校長協会会長、及川良一▽高知県知事、尾崎正直▽三井住友銀行会長、北山禎介▽金沢工業大学学園長・総長、黒田寿二▽桜美林学園理事長・総長、佐藤東洋士▽公認会計士、佐野慶子▽慶応義塾長、清家篤▽日本総合研究所理事長、寺島実郎▽東京大学長、浜田純一▽横浜市長、林文子（敬称略）
なお、委員の一人、NPO法人カタリバ代表理事の今村久美さんについては、小誌『月刊私塾界』12月号に、カタリバと今村さんの活動について紹介している。
