長野日報(17日付)は、長野県の富士見町教育委員会が今夏、希望する町内の中学3年生を対象にした初めての「無料塾」に、3年生全体の6割近くにあたる79人、講師も25人が集まり、何もないところから始めた試みであったが、「上々の結果」との受け止めが多いと報じている。
無料塾の開催は、学習指導要領の改定で授業内容が濃くなる中、公募講師による授業外の指導で、生徒の学力格差が広がるのを防ぐ狙い。無料塾は夏休みを利用して開き、土日を除く今月1~9日の計7日間。毎日午前中の時間を使い、英語、国語、数学の3教科(計8科目)を実施した。1コマの時間は授業と同じ50分間。
町教委は今後、平日の放課後や土曜日を使って続ける方向で検討する。対象を中学1、2年生に広げたり、学習内容に自然体験などを盛り込み、「学ぶ喜びを知り、町民全員が学び合うまちづくりにつなげたい」という将来構想も持つ。小林洋文教育長は「まずは新たな試みとして始めたことに意味がある。あせらず目標に向かって一歩一歩育てていきたい」と話しているという。