在留外国人の高校進学率78.9% 日本語能力が壁


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教育問題 在留外国人の高校進学率78.9% 日本語能力が壁

配信元:私塾界 11月20日08時25分

日本で勉強する外国人はどれだけ環境整備されているだろうか?
在留外国人の比率が高い自治体でつくる「外国人集住都市会議」。同会議に参加する全国29市町で、公立中学校の外国人卒業1010人の高校進学率が78.9%にとどまることが分かった。これは全国平均より約20ポイント低く、日本語能力が低い生徒ほど進学率が低いという結果となった。

文部科学省によると、複数市町にまたがるこれほどの大規模調査は初めて。指摘された29市町は座長の長野県飯田市、静岡県浜松市、群馬県太田市、愛知県豊橋市などで、自動車工場で働く日系南米人ら在留外国人の割合が高い。今回の調査は、日本語が母語ではない外国人の今春卒業生が対象で、日本国籍を持つ生徒も含まれる。

高校進学率(78.9%)の内訳は、全日制52.8%、定時制22%、通信制2.6%、日本語教育課程など「その他」1.5%。卒業生の日本語能力別に、進学率(専門学校などを含む)をみると、日本語の通常授業が理解可能な生徒92.1%、学習用語が分からない生徒67.5%、日常会話ができない生徒58.1%と順に下がっていた。12年度に学校基本調査の速報によると、全国の中学卒業生約120万人の高校進学率は98.3%。日本人と在留外国人との進学率の格差が広がっていることが分かる。

外国人生徒の進学率は、定時制高校や外国人入学枠の有無などに伴う地域間格差も指摘される。また、今回の調査で中学校に通わなかったケースは対象外のため、実際の格差はもっと広がっているとの声もある。文科省も外国人生徒の日本語能力に関する支援策を検討しているとのことだが、まだ明らかになっていない。

いずれにしても、日本の外国人生徒の厳しい学習環境が浮き彫りになった。

私塾界

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