傷害事件で被害に遭った少女が通う高校に、今年春、少年院から出た加害者の少年が入学していたことが分かった。少女側は精神的苦痛を受けるとして、少年を指導・監督する山口保護観察所(山口市)に抗議した。これを受けて少年は入学後、一度も登校していない。
山口県警察などによると、昨年秋、少年は仲間と3人で少女を呼び出し、顔を殴ったり髪をつかんで引きずったりしてけがを負わせた。少年は傷害容疑で逮捕され少年院に入っていた。少年院にいる間に同高校を受験し合格した。
少女は、クラス分けの張り紙を見て少年の入学を知った。少女は学校に相談し、少女の保護者が山口保護観察所に抗議した。少年は少女が同高校に通学していた事実を知らなかったと話しており、登校しないことを約束したという。
山口県教育委員会は、被害者少女の保護やカウンセラーなどの心のケアを行うとともに、加害者少年の更生に悪影響を与えることがないよう、少年と転校や進路の変更を慎重に検討していく意向である。